九州地域の通信インフラ整備を担う株式会社テークシスでは、熊本県熊本市を拠点に移動体通信工事・電気通信設備工事・各種電気工事を手掛けています。私たちの日常生活に欠かせない携帯電話通信を支える「基地局」について、その仕組みと九州の通信網の現状を詳しく解説いたします。
 

 

携帯基地局の基本的な仕組み

移動体通信工事
携帯電話の通信を支える基地局は、私たちの日常生活において欠かせない社会インフラです。その仕組みと役割について詳しく解説します。
 

基地局の定義と役割

基地局は、総務省の電波法施行規則により「陸上移動局と通信を行うため陸上に開設する移動しない無線局」と定義されています。簡単に言えば、携帯電話やスマートフォンなどの移動体通信機器と電波の送受信を行う固定設備です。
 

基地局の主な役割
基地局は、携帯電話からの電波を受信し、その信号を光ファイバーケーブルを通じて交換局に送信する中継点として機能します。また、通話相手の近くの基地局から電波を変換して、目的の携帯電話に届ける役割も担っています。これにより、全国どこからでも通話やデータ通信が可能になっています。

 
2023年度の総務省データによると、全国の基地局数(3G、4G、5G、高度化BWA)は約121万7,011基となっており、事業者別では以下のような構成となっています。
 

事業者別基地局数

1位:NTTドコモ 34.9%(42万4,858基)

2位:ソフトバンク 28.9%(35万1,907基)

3位:KDDI(au) 24.0%(29万2,588基)

4位:楽天モバイル 6.7%(8万1,360基)

「参照:@DIME」
 

基地局の種類と設置場所

基地局は設置場所や目的によって、以下のような種類に分類されます。
 

鉄塔タイプ

高さ:20~50m程度

設置場所:郊外・山間部

特徴:広範囲のエリアをカバー

ビル設置タイプ

設置場所:ビル・マンション屋上

対象エリア:市街地

特徴:人口密集地域をカバー

小型基地局

設置場所:電柱・街灯など

対象エリア:狭いエリア

特徴:軽量・コンパクト

屋内基地局

設置場所:地下街・大型ビル内

対象エリア:屋内の狭いエリア

特徴:透明アンテナなど目立たない設計

「参照:KDDI」
 

携帯電話の通信が成り立つ仕組み

携帯電話の通信がどのように実現されているのか、その詳細なプロセスを解説します。
 

通信のプロセス

携帯電話の通信は、以下のような複雑なプロセスを経て実現されています。
 

通信の流れ

発信
携帯電話から電波を発信
 
基地局での受信
最寄りの基地局が電波を受信
 
信号変換
電波を光信号に変換
 
交換局への送信
光ファイバーケーブル経由で交換局に送信
 
相手の特定
交換局で通話相手の最寄り基地局を特定
 
信号転送
相手の基地局へ信号を転送
 
電波変換
光信号を電波に変換
 
着信
相手の携帯電話で着信

 
このシステムにより、携帯電話は小型化が可能となり、電波出力も抑制されています。基地局と端末は無線で接続され、その先は有線ネットワークで結ばれているため、効率的な通信が実現されています。
 

電波の安全性

総務省では、約50年以上にわたる国内外の研究結果に基づき、1990年に「電波防護指針」を策定しました。携帯電話基地局は、この指針を満たしていることが確認されてから設置されるため、人体への影響はありません。
 

 

九州の通信網の現状

九州地域における通信インフラの整備状況と特徴について解説します。
 

九州の基地局整備状況

九州総合通信局の管轄下にある九州地域では、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の7県にわたって基地局が設置されています。特に熊本県においては、2016年の熊本地震の教訓を踏まえ、災害に強い通信網の構築が重要視されています。
 

九州の通信インフラ特徴

台風対策:九州特有の気象条件に対応した設計

離島対策:海上区間の通信確保

山間部対策:地形を考慮した基地局配置

災害対策:熊本地震の教訓を活かした強靭化

「参照:総務省九州総合通信局」
 

光ファイバーインフラ整備

九州地域の光ファイバー整備状況は着実に進歩しており、2023年3月末時点で全国の光ファイバー整備率は99.84%に達しています。ただし、都道府県別では格差があり、佐賀県が95.68%と、47都道府県で唯一98%を割り込んでいる状況です。
 

熊本県の光回線状況
熊本県の光回線普及率は53.8%で全国40位となっています。これは、ケーブルテレビ回線やその他のインターネット回線を利用している世帯が多いことが要因です。しかし、毎年契約数は着実に増加しており、2020年3月の366,613件から2023年3月には448,815件まで増加しています。

 

5G時代の通信インフラ

次世代通信技術である5Gの普及に伴う基地局の変化について説明します。
 

5Gの特徴と基地局

5Gは4Gと比較して、通信速度が20倍、通信遅延が1/4、最大同時接続数が10倍という飛躍的な性能向上を実現しています。しかし、5Gの電波は直進性が強く、障害物に弱いという特徴があるため、従来よりも多くの基地局が必要となります。
 

5G基地局の特徴

高密度配置:従来より多くの基地局が必要

小型化:街中の様々な場所に設置

高速通信:超高速データ通信を実現

低遅延:リアルタイム通信に対応

「参照:就職エージェントneo」
 

九州の5G基地局整備

総務省の2022年情報通信白書によると、2021年11月時点での10㎢当たりの5G基地局数は、全国平均が約1.0局であるのに対し、東京都は約41.3局となっており、地域による整備格差が見られます。九州地域においても、福岡市などの都市部から整備が進められており、段階的に全域への展開が図られています。
 

九州の5G展開戦略
九州地域では、各キャリアが都市部から段階的に5G基地局を展開しています。特に熊本市、福岡市、北九州市、鹿児島市などの主要都市を中心に、商業施設や駅周辺から整備が進められており、2025年までに人口カバー率の大幅な向上が期待されています。

 

九州の通信インフラ発展への取り組み

携帯基地局は、私たちの日常生活を支える重要な社会インフラです。九州地域においても、地理的特性や気象条件を考慮した基地局の設置が進められており、5G時代に向けた通信網の高度化が図られています。
 
総務省の高度無線環境整備推進事業により、条件不利地域における光ファイバー整備も積極的に推進されており、九州全域での通信環境の向上が期待されています。熊本県を含む九州地域では、災害に強く、次世代通信技術に対応した通信インフラの構築が重要な課題となっています。
 
株式会社テークシスでは、これらの通信インフラ整備に携わる電気通信工事の専門企業として、九州地域の通信環境向上に貢献していきます。
 


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